輪の国スタッフおすすめお立ち寄り情報 「大津の歴史探訪」コースを走って

「びわこじてんしゃ 2017 春 Vol.9」より

ビワイチ公式ガイドブック「ちずたび びわ湖一周自転車BOOK」お薦めコースから

 

 まだ寒さが残る中、ビワイチガイド掲載の「大津の歴史探訪」コースを走ってきました。今年は大津に遷都されて1350年を迎える年。まちでは、いろいろなイベント・体験・まち歩きが行われるそうです。大津は門前町・港町・宿場町の3つの側面を持ち、歴史遺産に、びわ湖の眺望に、見どころいっぱいのまちでした。

 出発はびわ湖を望める「大津港」。今はびわ湖の湖上観光を楽しむ大型遊覧船が発着する港として有名ですが、約400年前は北国と畿内を結ぶ物資の湖上交通の要衝として栄えた港町。その跡を偲ぶ大津城の碑がひっそりと建っていました。

 大津絵の道沿いに走ると、まず最初に「琵琶湖疏水」に至ります。長等山に向う疏水の風景は、明治時代の近代化へ向かっていった機運を今も感じさせる建造物です。

 次に訪れたのが、近江八景「三井の晩鐘」で名高い「三井寺(園城寺)」。威風堂々とした仁王門は、この寺院の長い歴史と風格を感じさせます。

 近くの「大津市歴史博物館」は、大津京や大津宿のジオラマ展示があり、大津の歴史をより知ることができるので、立ち寄ってほしい場所です。

 途中、湖岸にある「びわ湖大津館」に寄ったあとに訪れたのが「近江神宮」。大津京を建都した天智天皇を祭る神宮であり、本殿につながる長い階段と朱塗の楼門は荘厳な雰囲気を感じさせます。最近は「ちはやふる」の聖地として有名ですが・・・・・。

 古いまち並みの細い道を北上。途中で「盛安寺」に立ち寄り、「日吉大社」や比叡山延暦寺の里坊がある坂本に到着。石積みの景観が美しく、いつまでも留まりたい気持ちになってしまいます。

 北のはずれには「西教寺」があり、ここへ辿りつくには長い上り坂を走るので、ちょっとキツイかも・・・・・。ただこの寺院からのびわ湖の眺望は素晴らしいです。

 寺院をあとにして、山麓の田畑の細い道を、遠くにびわ湖を望みながら、下り坂を気持ちよく走り、「JR湖西線おごと温泉駅」に到着。

 サイクリングの良さは、何より自由気ままであること。電車やバスの出発時刻に縛られることなく、路地や細い道も自在。スピードは速すぎず、歩くよりも遠くへ行けること。また、空気の温度、風の音、草花の香り、土のにおい・・・・・五感すべてが刺激され、その土地の良さを全身で体感できることです。

(山本一男)