- 「びわこじてんしゃ」より
ビワイチ コミュニティ 父子のビワイチ体験記
「びわこじてんしゃ 2019 春 Vol.13」より
「自転車で琵琶湖を一周したい!」と息子が言ったのは、2~3年程前だったと思います。これまでにも、5日間かけて自宅から埼玉県(244.2km)、しまなみ海道(77.5km)、諏訪湖日帰り往復(159.1km)等、色々な旅を楽しんできましたが、今回は日本一の湖にチャレンジです。
(佐藤千之さん 長野県飯田市)
最初に次の基本計画を定めました
・2日間かけて、父は13年目の“チチチャリ”、息子は自分のクロスバイクで一周をする。
・“ビワイチ”なので、琵琶湖観光を楽しみながら、なるべく湖岸沿いを走る。
・できる限り交通量が多い道を避ける。(大切な息子を連れて行くために安全第一)
START 2018年8月9日(木)5:12 瀬田唐橋出発(反時計回り)
昨夏は猛暑日が多かったのですが、幸いこの2日間は朝から昼過ぎ頃までは雲が多く、気温は30°程でした。しかも僅かに霧雨が降るという幸運?にも恵まれ、暑さに対しては当初心配していた程ではありませんでした。
道中、ほぼ後ろを走行していた息子なので、走り方や表情を見る事はできませんでしたが、所々止まり「沖島は海以外の島で唯一、橋が架かってない有人の島」「水が全てなくなったらどのような景色になるのだろう?竹生島が竹生山?」「明日の今頃は対岸のあの辺りを走っている」等と話をしながら、のんびりと走りました。
ただ、「このスピードどう?」と聞くと「遅い」と苦笑いしていました。ごめんよ、これが精一杯なんだよ……
初日の後半からおしりが痛くなり始めました。座る位置を少し変えたり、腰を浮かしたりしましたが、危険な運転はできないので我慢をしていました。
ビワイチを走破した数日後に『ビワイチ!』という児童書を読んだのですが、同じように痛くなった主人公の男の子が、どのように乗りきったのかが書いてありました。なるほど、今度はこの方法を試してみよう。
全工程206.3kmのうち、自転車を押して歩いたのは国道303号線の岩熊第二トンネルの手前、数百メートルの坂道だけでした。ずっと先の方を見ても終わりが見えない。
しかし、息子はこの坂道をすんなりと登っていました。やはり毎日水泳部で鍛えているだけの事はあります。それとは対照的に、日頃から何もしていない父……
夜は、竹生島を眺める湖北の宿“ つづらお ”に泊まりました。琵琶湖を眺めながらの温泉、それに地元の食材を使った料理。まさに旅の醍醐味です。
2日目の途中、チチチャリのギヤが5段から変速できなくなり、わずかな坂道を登るのがとても大変になりました。平坦な道が多いのですが、やはり少しは起伏があります。このままでは体力が続かないため、志賀駅高架下の日陰で30分程かけて修理をし、無事に再スタートをしました。
途中、琵琶湖大橋の一番高い所から、今まで走って来た北湖と、ゴールまであと少しの南湖を眺め、改めて琵琶湖の大きさを目の当たりにしました。
そして、10日(金)17:32分、無事に到着 !
ビワイチには色々なスタイルがあると思います。
息子は“ビワイチ走破!”ですが、“私は親子二人で、愛車に乗り、観光を楽しみながら、安全にビワイチを走破する”のが目的でした。
この旅は1人では達成しなかったと思います。息子と一緒だったから楽しかったです。