- 「びわこじてんしゃ」より
びわ湖の快適・安全な走り方
サイクリストを導くびわ湖の「青い輪」
「びわこじてんしゃ2021 春 Vol.17」より
春の陽気に誘われて、久しぶりに湖周道路を走ってみると、新たな路面表示の存在に気づく。ビワイチがナショナルサイクルルートに指定されたこともあり、滋賀県が自転車の走行環境の整備を進めているのだ。今回は「青線」について、県の案内を参照してみよう。
「青線」は県独自の路面表示で、ビワイチのルートを案内するとともに、自転車の走行位置を示すもの。低速、上級ルートがあり、自転車歩行者専用道路の「青線」はゆっくり走るサイクリスト向け、車道の「青線」は上級サイクリスト向けということになる。なお、反時計回りが推奨されており、主に道路の湖側に設置されている。
現在、湖周道路の湖側の歩道に見える所は、ほとんどが自転車歩行者専用道路となっている。ここの「青線」は自転車のおおよその走行位置を示す。ただ、あくまで歩行者が優先で、自転車は低速(時速15km位を想定しているとのこと)で一列走行し、歩行者の近くを通過する時は徐行しなければならない。自転車歩行者専用道路は独立した道路の扱いで、歩行者は右側、自転車は左側通行が基本ルールとなる。幅が狭い場所もあり、追越しの時はもとより、対向車(者)がいる場合など、実際の走行にはかなりの慎重さが求められる。今後の利用者増加を考えると、歩行者、ランナーを含めた自転車歩行者専用の通行ルールの構築と周知の工夫、マナーの醸成が急務だと思う。
車道の「青線」には、実線と破線とがあり、自転車はその左側を走る。矢羽は進行方向を示し、もちろん逆走、並走は禁止である。実線は比較的道路幅の広いところにあり、車は線を越えて自転車走行範囲に入らないよう求められている。一方、破線の方は車線内に引かれ、車は自転車への配慮が求められているものの、線をまたいで走行することも可能なので、自転車は注意する必要がある。県は今後道路の構造整備を進め、実線の部分を増やしていきたいとのことである。
サイクリストを導くびわ湖の「青い輪」。今はまだ決して美しいとはいえない未完の輪ではあるが、未来の輝きを心に描きながら、ゆっくり春のビワイチを楽しもうと思う。
(南井 良彦)